リプレイ - 2
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 スイービーが何かに気づいたかのように、うめいて目に手をあてた。
 信じられないものを見るかのように、スイービーの両手の指の間からのぞく目は大きく見開かれていて。
 ざざ……と春の野原がさざめいた。
 不穏に鳴く草たちに、かぶせられるのは――霧?
 スイービーは霧に包まれて、そして、
 ――見覚えのあるヴィジョンと出会った。

 とても美味そうな気配を持つ女が、ひとり町はずれに立っていた。
 長い黒髪をさらりと手で後ろに流しながら、ハミングを口ずさんで外へと歩いていこうとしていた。
 見ているだけでよだれが垂れそうな気配を持つ女。逃すまいと思った。外へ行くのなら好都合だ、誰もいない所でゆっくり食べてしまえ――

 ああ、あの女の匂い立つような気配。今でもよだれが出そうだ。こんなにも現実感を持っている……なぜ?

「お前は、私たちの思惑通りにセレンに惹かれて、外へ来たな。……私とカミルの待つここまで」
 少年の声が遠く妙に不愉快に響く。

 そうだった――あの女に惹かれて、自分は外へとやってきた。
 野原へ。
 そこでひとつの予想外の出来事。女はここへ来て、ひとりの男とひとりの少年と合流した。
 厄介だと思った。―その内男の方が、白虎の《印》の持ち主―自分ら人肉種の嫌う気配をかすかにまとっていたから。
 けれどすぐに、大したことではないと思考を切り替えた。だって、そうじゃないか、あの男の白虎の気配は、

「――お前はカミルが白虎の気配をぎりぎりまで抑えていたのにも気づかずにのこのこ近づいてきた。もしもカミルが普段通りにしていたら、近づけもしなかったろうが……まあそれはいい」
 あの男の本当の実力だと?
 そんなもの考えもしなかった。必要がなかったから。
 事実、その通りだったじゃないか。俺は女に一気に襲いかかって、そうだ、女が振り向いたところで研ぎ澄ました爪を振りかざして――

「お前の一―撃目」

 避けられた。ふわりと風のようにかすめて、俺のパワーを乗せて巨大化した爪は、地面をえぐった。
 そうだ、こんな風に―土が舞い上がって――
 何だこれは。何でこんなに、過去の記憶が鮮明に、

「そこで、カミルが剣を抜いて」

 邪魔が入った。横から一閃。

 俺はかわした。見切ることができた。大した戦士じゃなかったはずだ。俺は大量に人を喰った《人型》、あの程度の人間の戦士に負けるわけがない。
 高く跳躍して飛び―心底邪魔だと思ったから、その男に向かって爪を、

「――二撃目」
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